なおくんの本棚

毎晩の絵本タイムをこよなく愛するなおくんのパパによる絵本紹介ブログ。

『ちいさなヒッポ』

偕成社 1984

作・絵:マーシャ=ブラウン

訳:内田莉莎子

 

【パパのお薦め度】 ★★★★

【なおくんの熱中度】★★★

【なおくんの初めて】4歳

【対象年齢】    3歳~5歳



ちいさなヒッポ (世界の絵本)
マーシャ=ブラウン
偕成社


 ちいさなカバの子ヒッポのお話です。物語の前半では、いつもお母さんのそばで過ごすヒッポの日常が描かれます。仲間と一緒に昼寝をしたり、お母さんと草を食べに行ったり、カバの言葉を教わったり。ところが、昼寝中に大人達のそばから離れたヒッポにワニが襲いかかるところから、急展開。ヒッポはしっぽを噛まれて水の底へ引っ張られてしまいます。ヒッポがお母さんから教わった方法で必死に助けを求めると・・・。

 

いつもお母さんといっしょの小さな子供。でも少しずつお母さんから離れる時間も増えていきます。好奇心から取った行動で、少し危険な目に遭うこともあるでしょう。そんな経験をし始めたころの子には、共感を抱かせてくれるお話と思います。

 

なおくんも、ママ(できればパパも)の愛と強さを感じながら、少しずつ自分の行動範囲を広げていって欲しいと思った次第です。

 

絵は、多色刷りの版画です。最近はこういう版画の絵本は少ない様に感じますが、お話だけでなく、絵の部分でも多様なものに触れて欲しいですね。

 

ところで、かばって英語でhippopotamus略してhippoって言うそうです。主人公の名前のヒッポって、「かばちゃん」程度の語感の様です。

『ほんとはスイカ』

ブロンズ新社 2015

文:昼田弥子

絵:高畠那生


ほんとはスイカ
昼田 弥子
ブロンズ新社
2015-05-16

 

【パパのお薦め度】 ★★★

【なおくんの熱中度】★★★

【なおくんの初めて】4歳

【対象年齢】    4歳~6歳

 

「ス」を落としてしまったスイカのお話。

イトウくんが出会ったイカは、本当はスイカで、「ス」を落としただけと、変なことを言います。全く信じないイトウくんですが、歩いて行くと、「ス」が落ちています。転んだイトウくんに「ス」が付くと、イトウくんは水筒に。

水筒は洗われると糸になり、下水を流れる間にトウメイニンゲンになってしまいますが、マンホールから出て「イ」「ト」「ウ」を貼り付けて、何とかイトウくんにもどります。

やおやさんと言い合うイカを見つけたイトウくん。イカに「ス」を貼り付けると・・・。

 

文字が読めるようになり、しりとりなどの言葉遊びも覚えてきたころにお薦めの一冊です。

 

パパが子供の頃、NHKのどの番組だったか、「しまうまのシマをぐるぐるとって・・・●●に付けたらシマ●●」って歌詞の歌があり、大層気に入って歌った記憶があります。あれと同じノリでしょうか。

『くんちゃんとにじ』

ペンギン社 1984

作:ドロシー・マリノ

訳:間崎ルリ子


くんちゃんとにじ
ドロシー・マリノ
ペンギン社



【パパのお薦め度】 ★★★★★

【なおくんの熱中度】★★★

【なおくんの初めて】4歳

【対象年齢】    4歳~6歳

 

書評で見かけて気になり、パパがチェックしていた一冊。図書館で借りてきました。

 

こぐまの“くんちゃん”が、にじの根元を追いかける、夢いっぱいのお話です。にじを見つけたくんちゃんは、小鳥から、にじの根元には、金の詰まった壺が埋まっているという言い伝えを聞くと、お鍋を持って駆け出します。お母さんやお父さんからも、途中で出会う、りすやうさぎやシマリスからも、「きんのつぼを さがしているんだったら、 あれは ただの おとぎばなしだよ。」と言われますが、くんちゃんは、にじを追いかけて駆け続けます。にじの根元が見えたところに行くたびに、そこににじの根元はなく、別のところに見えています。くんちゃんが大きな木まで来ると、にじは消えてしまいます。でも、くんちゃんが木に登ってみると、大きな穴が開いていてそこには・・・。くんちゃんは、来た道を「ぼく、きんを みつけたよ!」と叫びながら、うちへと駆けて帰ります。シマリスもうさぎもりすも、「まって! ぼくにも みせて!」と後に続きます。うちに着くと、くんちゃんは、お鍋を置いて、「おかあさん、みて! にじのねっこに ほんとうに きんのつぼが あったんだよ。」お鍋の中身は、蜂蜜。シマリスとうさぎとりす、それに小鳥もいっしょに、みんなでお母さんが焼いたホットケーキに蜂蜜をかけて食べました。

 

にじの根元って、ぼやけてしまって、地面には付いていませんよね。パパもこどもの頃、どこから生えているのか疑問に思った記憶があります。きれいな七色に輝く美しさだけでなく、突然現れるし、いつの間にか見えなくなるし、にじって子供にとっては不思議な魅力があると思います。そんなにじの不思議と魅力で、想像の世界が広がるよい絵本です。

 

最後のページの、おかあさんとおとうさんの、


「くんちゃんが きんのつぼを みつけにいってくれて よかっったこと!」


「くんちゃんが みつけた きんは、 ほんとうの きんより ずっと ねうちが あるよ。」



の言葉と、みんなとの食事のシーン。なおくんの価値観を育んでくれたらいいなぁと思い読みました。

 

この絵本、絵は、黄色と黒の二色刷りですが、くんちゃんの夢中な様子を同じ表現で繰り返すことで、七色のにじが見えるかのようなわくわく感が伝わります。想像力を養っていくには、カラフルな絵本ばかりでなく、こうした絵本もいいのかな。とも思いました。

【「くんちゃん」シリーズ】
『くんちゃんのはたけしごと』

『オレ、おおきくなるのいや』

マイクロマガジン社 2019

文:デヴ・ペティ

絵:マイク・ボルト

訳:小林賢太郎


オレ、おおきくなるのいや
デヴ・ペティ
マイクロマガジン社
2019-04-19



【パパのお薦め度】 ★★★

【なおくんの熱中度】★★★

【なおくんの初めて】4歳

【対象年齢】    4歳~6歳

 

以前読んで、なおくんが気に入っていた『オレ、カエルやめるや』のシリーズ。図書館で借りてきました。

 

このシリーズは、絵はアメリカンコミック調の絵で、台詞の配置なども吹き出しが使用されるなど、絵本と言うよりはコマ割りのない漫画といったような雰囲気ですが、内容はなかなか含蓄のある絵本です。

 

今回、主人公のカエルの息子は、「オレ、おおきくなるの やめることにした。」と言い出します。お父さんガエルや、友達のブタ君から色々言われても、大きくならなくてもいい屁理屈を並べ立てます。でも、・・・

 

「おとななのに どろんこプールで あそんでいいの?」

「おとなは あそんじゃ だめなのかい?」

 

お父さんガエルのどろんこプールへのダイブを見て考え直したカエルの息子。

 

「やっぱり オレ、 おおきくなることにしたや」

 


カエルの息子の屁理屈は、幼稚園児そのものです。なおくんも「えー、でも、なおくんは・・・だぞー」とよく屁理屈を言っています。お父さんガエルにだっこされて、「まずあっち」「つぎこっち」と指さす姿も、パパだっこ大好きのなおくんそのもの。毎週末の我が家の姿を見ているようで、親近感が沸きました。

 

満面の笑みでどろんこプールへダイブするお父さんガエルが素敵です。こんな姿を見せられるお父さんになりたいな。

 

 

シリーズの絵本

『オレ、カエルやめるや』

『オレ、なんにもしたくない』

『オレ、ねたくないからねない』

 

『みつけたものとさわったもの』

童話館 1997

作:ウィルとニコラス

訳:晴海耕平


みつけたものとさわったもの
ウィル
童話館出版
1997-11-01


【パパのお薦め度】 ★★★★

【なおくんの熱中度】★★★

【なおくんの初めて】4歳

【対象年齢】    4歳~7歳

 

なおくんが、自分で本を選ぶことに目覚めたので、パパ名義のカードで借りてきた一冊。「パパが借りた本は、なおくんは読まないよ。」なんて言いながら、結局、パパが勝手に読み始めると、近くに寄ってきて聞いているんですけどね。Z会幼児コースの親向け冊子で紹介されていて、いいなと思って借りました。

 

この絵本は、自我を主張するようになり、友達とけんかをするようになってきた年頃の子にお薦めのお話です。

 

2匹の犬、ナップとウィンクルは、1本の骨を掘り当てます。ナップが最初に見つけ、ウィンクルが最初に触りました。2匹は互いに自分の骨だと主張します。そこで、通りがかる農夫やヤギや床屋の見習いに、次々と、どちらの骨か尋ねます。しかし、尋ねられた相手は皆、自分の要求と引き替えに答えると言います。2匹は要求を満たしてやりますが、相手は答えないままに立ち去ってしまいます。最後に大きな犬に尋ねます。犬の要求は、骨を見せてくれとのこと。そして2匹が骨を見せると、骨を咥えて出て行こうとします。そこで2匹は協力して・・・。

最後のページでは

 
そして、いっしょに ほねを かじりはじめました。
二ひきは、もう なにもいいませんでした。


 

正しいことが一つではない事、友達とのトラブルは、他人任せでは解決せず、当事者の自分達で解決しなくてはならない事、どちらかの主張を取り入れる解決だけでなく、折り合いを付ける解決策もある事。いろいろな事を教えてくれるお話と思いますし、それでいて、妙に教訓じみた感じはしないようにうまくできたお話と思います。

 

また、床屋の見習いの場面では、2匹があられもない姿に刈り上げられてしまい、ちょっと笑える部分もあります。

 

絵は、古典的な絵本の雰囲気で(元の海外版は1951年初版のようです)、おそらく版画で描かれたものと思います。

 

最近、友達とけんかしてくることも出てきたなおくんにピッタリの絵本でした。また、なおくんがもう少し大きくなって、この絵本をもう少し深く深く理解できるようになった頃に、もう一度読んであげたい一冊です。

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